映画『果てしなきスカーレット』を観てきました!まさに許しの物語。死者の国で復讐のために旅をするスカーレットが生きる意味を探る終盤のカタルシスが凄まじい映画でした。

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『果てしなきスカーレット』パンフレット表 『果てしなきスカーレット』パンフレット裏

果てしなきスカーレット』を観てきました!サマーウォーズで有名な細田守監督の最新作です。

たしか本当は8月頃が公開日だったと記憶していたのですがさすがに鬼滅と戦うのは自殺行為と思ったのか延期されてようやくの公開でした。

個人的な感想としては観ていてとても面白かったです。好みは人それぞれかもですが細田守監督の作品で一番好きまであります。

序盤はというか復讐がテーマでもあるため全体的に陰鬱な展開が続くのですが舞台となる死者の国の映像美も凄いですし、スカーレットが復讐のために鍛えて死者の国でそこそこ戦えているのもある意味でエルデンリングのようなオープンワールドゲームを観ているような気分で個人的にはワクワクしました。スカーレットの父を殺したのは叔父であるクローディアスなのですがそのクローディアスに従って父を処刑した4人の幹部がまさしくゲーム的に言えばボスとして立ちはだかる訳です。

スカーレットですが普通にぼこぼこにされるので女性が殴られたり痛めつけられたりするシーンが苦手な方は注意が必要かもです。

死者の国では過去も未来もないためあらゆる国、世代の魂が居る訳ですがそこで現代を看護師として生きる「聖」に出会うことで復讐にだけ囚われているスカーレットの心が変わっていく物語です。恋とかそんな甘い話とは違い死者の国でも頑なに人を助けようとする聖の姿と復讐を進める過程で得られる父の今わの際の言葉からスカーレットはどう生きるべきかそして復讐の果てに何を見出そうとするのかそういう物語です。

道中、唐突にインド映画のようなミュージカルパートありますがこれは細田守監督節な特徴らしくパンフレット曰く、歌とミュージカルは映画を上げてくれるものだと竜とそばかす姫で学んだそうです。ちなみにスカーレットが見たあの世界は未来の渋谷だそうです。

パンフレットを読むとこの映画はシェイクスピアの「ハムレット」が下敷きになっているとのこと。実際に観ると分かる通りまさに演劇のように展開していく壮大な冒険譚でもあります。死者の国とはすなわち「生きるべきか死ぬべきか」というハムレットの戯曲の有名なセリフを表現したかのような世界です。

死者の国は死してなお過酷な環境であり人は争い合うという不毛とも言える世界です。加えて言えばそんな世界でも支配するものとされるものが存在してしまいさながら地獄の様相ですがその過酷な世界でまさしくスカーレットは自分の生きてきた意味、復讐の先にあるものを問われる訳です。

死者の国では巨大な翼竜のようなものが度々出現してギガデインを放ってきます。パンフレットでも特にあの竜に関する解説はないのですが、上記と合わせて考えるのであればあの死者の国に居てもなお変われぬものに対して雷が放たれているように私には思えました。

死者の国と呼ばれていますが実際には死者の国という訳ではなく序盤から謎のおばあさんがナレーションしている通り過去も未来も含めて生者と死者が交わる世界であり「生きるべきか死ぬべきか」を問うている世界なのでしょう。スカーレットと聖の時を超えた出会いと共に聖の生き方や考え方がスカーレットに生きる意味と許す意味を見出すきっかけになりました。聖に出会い未来を見たスカーレット、死してなお最後まで変わることが出来ないクローディアスとの明暗が分かれたシーンはカタルシス満載でした。

ただ死者と生者の進む先は違います…最後はほろ苦いエンドでした。でもスカーレットは聖を通して見た未来の渋谷のビジョンを見ました。まさしく時をかけてスカーレットの作る未来があの渋谷を生み出せると良いですね。

何にせよスカーレットの声優である芦田愛菜さんのボイスをたくさん堪能したいのであればこの映画はお勧めです。