『屋根裏のラジャー』を観てきました!今年は映画を観るたびに予告編を見させられましたからね。
正直…予告編を見た限りではあまり期待していなかったのです。が、結論から言うとかなり面白いです。私はすごい好きです。こう伝えるのもあれなのですが…カオスヘッドとかカオスチャイルドとか好きな人はたぶん刺さりますよ。
興行収入があまり奮ってなさそうですがすげーもったいないです。ゲゲゲのように口コミで伸びて欲しいです。
いい意味で期待を裏切られたと言いますか、予告編を見てるとイマジナリーであるラジャーがあのおっさんに出会ってイマジナリーのイロハを教わり冒険するみたいな感じじゃないですか。全然違いました。
むしろあのおっさんは本作のヴィランでした。かなり醜悪かつガチもんの化物です。
この物語は多少曲解にはなりますが…そんなヴィランに目をつけられたラジャーがアマンダを助けるために戦う物語でした。
あらすじと感想
イマジナリーであるラジャーは本屋の娘であるアマンダの想像から生まれました。生まれて3ヶ月ほどだそうです。
「で、俺が産まれたってわけ」みたいな感じで物語が始まります。
物語の終盤付近で明らかになるのですがラジャーは単なるイマジナリーではありません。アマンダの心を守るために特別な事情で生まれています。
映画にありがちな序盤は緩やかな展開も実はしっかり伏線が張られています。
本作のヴィランであるミスター・バンティングはそんな特別なイマジナリーを喰って回っている化物です。バンティングは黒髪の女の子のイマジナリーを連れています。可愛いけど腐った匂いがするそうです…
イマジナリー達に伝わる都市伝説曰く、バンティングは想像力を失いたくないがためにイマジナリーを喰ってあらゆる時代を生きている存在だそうです。で、実際そうでした。ちなみにバンティングはイマジナリーではなくちゃんと実態があります。元は人間だったのでしょう。なぜ想像力を失いないたくないのかもまあ黒髪の女の子を見れば概ね想像できそうです。想像力の強い相手に対してはギガロマニアックスみたいなこともできるっぽいです…怖っ
ラジャーはそんなバンティングに目を付けられてしまい食べられそうになってしまいます。アマンダはラジャーを助けて逃げるのですが…その際に車に引かれてしまいます。
そうしてラジャーは忘れられたイマジナリーになってしまうということろまでが導入です。
ラジャーはそこから他のイマジナリー達に出会い忘れられたイマジナリーとしての生き方を学んでいきます。ですがバンティングに目を付けられてしまっているラジャーはどうなるのかというお話です。
バンティングは忘れられた古いイマジナリーは美味しくないから食べないらしく現役のイマジナリーを狙います。イマジナリーを食べられた子は心が死ぬそうです。つまりイマジナリーの世界だけの問題ではなく現実で被害にあった子供達がかなりいるということに…
バンティングのラジャーに語り掛ける数多くの言葉がかなりの見所です。邪悪さ極まりないです。パンフレットでもバンティング役を演じたイッセー尾形さん曰く人が神様から作られたならバンティングは悪魔から作られたとインタビューに答えていますね。
そんなバンティングが最後どうなるのかも…ぜひ劇場で観て欲しいです。
物語の中で描かれるアマンダやそして母親であるリジーの描写も素晴らしいです。特にリジーの心境を考えると涙なしには観れません。
予告編を観た自分の想像を1つ超えてくる素晴らしい映画で満足でした。
やっぱり想像力は大切ですよね。大人になると確かに薄れてはきますが完璧に忘れてしまう訳ではないですよね。黒歴史とかいい例ですよね。
スタジオポノックは世間的にも日テレ的にもポストジブリを目指している感ありましたけど今作で私はそのイメージを脱却しましたね。ジブリとは違うかなり尖った作品で非常に良いです。