冬休みに購入して少しずつ読み進めてようやく読了しました!
※ アダルトゲームなのでリンク先を踏む際はご注意願います。
評価の難しいゲームです。オーソドックスで無難な美少女ゲーム…だと思っていたのですが全ヒロインのルートをクリアした後に読むことができるANOTHER STORYでその部分をある意味で覆されます。あくまで私の個人的な見解ですけど、一種の社会に対するメタのような意味合いも含まれている物語なのかなとも少し思いました。まあ、そこまで深読みするほどでもないかもですが…
ここから先はネタバレあり感想です。
感想
あらすじは、お嬢様学園しかない孤島に学園長の息子である「天瀬 遥」が転校して生粋のお嬢様達に男と接する機会を与えるという物語です。そして舞台である天瀬島には何か秘密があるとのこと。
お嬢様達は男と言うだけで怯え過剰反応する娘たちばかりです。
ヒロインは4人+1人です。
朱日 千景。タイトル画面でセンターを飾っているヒロインです。メインっぽいですが物語の根幹に関わるヒロインではなかったです。主人公である遥と同じで共学から転校してきて常識があるので遥と意気投合します。
鈴羽 リリヤ。天瀬島の秘密の根幹に関わるヒロインです。セリフと行動が一番面白い。でも…彼女のルートの終わり方が切ないです。
星道院 姫瑠。君だけキャラデザに統一感なくない?なヒロインです。でも一番チョロくて可愛いかったです。
月城 ゆかり。ぬきたしから飛び出してきたようなヒロインです。でも背景事情が一番重いうえにルートクリア後の将来で結構悲惨な結末迎えていて「えっ…」ってなった。
椎葉 果歩子。極度に男が苦手な上に帯刀している。普通に銃刀法違反ですね。警察に届け出を出しているか疑問だけど島だから治外法権なのかも…でも可愛いからOKです!
主人公である遥は演劇という活動を通してヒロインたちと関わり、同時に天瀬島の学園の娘たちと関わっていきます。
天瀬島の秘密ですがそれはリリヤの世界からやってきた石があることです。リリヤの世界では感情や記憶をエネルギーにしているらしく石の正体はその産業廃棄物だそうです。そのため石は負の感情を溜め込んでいて島に影響を与えています。リリヤはそれを何とかするために天瀬島の娘たちと関わりその記憶を使って何度も浄化を繰り返していたそうです。
なのでリリヤは何度も天瀬島の人達と関りを持っていてその度に天瀬島のリリヤと関わった人は記憶がリセットされていたっぽいです。
この石の影響によってヒロイン達、そして遥も少なからず影響を受けそれが物語、すなわち舞台の展開に影響しています。
そんな石があるせいなのかどのルートでも無難で盛り上がりに欠ける感じに終わるな…と思っていたらそれ自体が伏線でした。
遥かはどのルートでも演劇、ヒロインに対して誠実?に対応していましたががむしゃらではありませんでした。流された終わり方と言えばいいのでしょうか。不完全燃焼感があります。
その結果としてヒロイン達は将来どうなったのか?ANOTHER STORYではその結末が語られます。
どのヒロインも順風満帆な人生とは言えませんでした。もちろんそれが人生なのでおかしなことではありません。何のせいでもないけど何かのせいにしてしまっているのではないのか。
ただ…リリヤと向き合うことで遥かは気づきます。全力でがむしゃらに向き合っていたら違う結末もあったかもしれないと。
あらゆるルートから幸せの力を蓄えた石の力を使い遥はもう1度初めからやり直します。
失敗してもいいからがむしゃらに一生懸命、演劇も恋も進めます。その動きが天瀬島の学生達の心を動かします。
そうして初めて天瀬島の石は消え、遥とヒロインたちの真のエンドに到達します。
このセリフが一番しっくり来ました。石があったかもしれないけどそれはさして重要ではなく周りの情報に流されず自分の意思をがむしゃらに貫くことが重要なのだと。
このゲームの評価はこのANOTHER STORYをどのように捉えるかで変わる気がします。
どのルートも展開が緩やかなため読み切るモチベーションを保つのが難しいですが、ANOTHER STORYまで加味すると悪くない作品だと思います。
個人的にはリリヤとの真エンドが一番良かったです。