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『クナド国記』を読了をしました!年末年始でセールしていて以前から気になっていたので購入してそのまま起動で最後まで一気に読んでしまいました。それくらい面白かったです。
オーソドックスなノベル形式のアダルトゲームです。選択式で本筋のグランドエンドへのルートがあり途中の選択肢でそれぞれのヒロインのルートへ行く形式です。
メインヒロインは春姫でありグランドエンドルートと春姫ルートが同じです。
人類が普段使っている金属が何かによって汚染され鉄鬼と呼ばれる襲ってくる生命体になったという設定で人類は滅ばずとも文明を失っている世界観です。鉄鬼の出現と同時に超能力に目覚めた人類が居てその力によって人は生き延びますが結果として能力を持たない人間は淘汰された現在?から1000年後でわずか人口800人のみを残す国「カント」が舞台の物語です。
そんな世界にコールドスリープ装置のようなものから1000年前の知識を保持したまま目覚めた信が主人公です。
主人公のキャラクターは割と典型的なギャルゲーの主人公タイプです。根暗系ではなく軽口系で悪い印象はないためするする読めます。というかやけにネットミームに汚染されています。
ヒロインは全員可愛いです。個人的には優里が好きです。個別ルートでも涙腺に来ました。
1000年後の世界、この物語の世界観では金属が汚染されているため金属を使用した文明は崩壊しているのと人間を超える外敵の存在からある種の完全合理的主義の文明になっているという部分が面白さの肝になるかと思います。
鉄鬼は人間を感知して襲ってくるという性質があるため人口は意図的に抑制されていて出産にも許可が必要であったり相手も能力を考慮して決定されるのと、子供を産めるのが女性なため男女の価値観が逆転しているという設定もあります。もっとも1000年前の知識を持つ信が主人公なためそこらへんの価値観の違いは随時モノローグで説明される感じです。
また経済や教育もほぼなくなっているというのも面白かったです。外敵との戦いを常に強いられるのとすべての人間が何かしらの能力を保有しているので職業選択の自由もない状態です。
信が目覚めたタイミングと言うのが外敵である鉄鬼の中でももっとも危険で超巨大な個体が倒された後であり鉄鬼の脅威がほぼ無くなったとされる時で信は1000年前の知識からその世界が先へ進むために必要な概念をヒロイン達やその世界の住民に伝えていく部分が「はぇ~」となり面白く感心しました。
信は学校や貨幣(経済)を「カント」に取り入れようとするのですがその際の説明が個人的にも大変勉強になりました。なんかアダルトゲームで学ぶ教育と通貨の歴史と役割って感じで勉強になりましたw
その辺り以外でも能力物でもあるためバトル描写も豊富で何なら進撃の巨人を思わせるような展開もあり手に汗握ります。
物語の根幹にもなる信の正体や、鉄鬼とは一体何のかそういった部分も含め読み進める手が止まりませんでした。個別ルートも含めて読み切るのに10時間位でしょうか。週末プレイにお勧めです。
アダルトゲームなためそういうシーンもありますが数もそんなになくフレーバー程度です。
余談ではありますが私はこういう転生とは違う一人の主人公に対して世界や宇宙にて膨大な時間が過ぎる、あるいは過ぎた系が大好きでして例えば最近だと「宝石の国」なんかはドンピシャすぎるのですがアダルトゲームでこの「クナド国記」に似ているものに「プリンセスキッス! 〜少女1000年紀物語〜」があります。「クナド国記」を読了してロスを感じたのであればこちらもお勧めです。
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