『One.』を読了しました！私はオリジナルのPCゲームをプレイしたことがないのでその前提の感想記事になります。
泣きゲーの元祖らしく、そのリファインとなる『One.』。私はこの作品の前提知識はまったくない状態です。
ヒロインの数が多く、どの娘もしっかりとした個性があります。オリジナルをプレイしたことがないのでこのリファイン版との違いは分かりませんが、少なくともビジュアル面では時代をまったく感じさせない作りに仕上がっていると思いました。
一方でシナリオ面では最近だともう見かけない表現や属性があり不思議な懐かしさを覚えます。
幼馴染と化したライスシャワーです。
長森 瑞佳、幼馴染のヒロインです。
一番ちょっかいかけられていて時代を感じさせます。
なんか身も蓋もないですが瑞佳ルートはＤＶ彼氏との共依存を彷彿とさせるシナリオです。
もちろんＤＶはないのですが…主人公（折原 浩平）の瑞佳に対する態度は読んでいられなかったです。好きすぎて近くにいすぎる故に愛を確認したくて冷たくする心理を描いた作品は近年、（私は）見かけないのでそういう意味だと古典で貴重だと思いました。
クリスマスにロマンチックなデートを期待していたら商店街のラーメン屋に連れていかれたナイスネイチャです。
七瀬 留美です。
ツンデレ？属性のヒロインです。元祖の頃はツンデレと言う言葉はありましたっけ？
ですがツンデレ以上に、浩平のちょっかいのかけ方がすごくて霞ます。ですがこのルートの浩平は留美に嫌がらせをするクラスメイトに対しても毅然な態度で良かったです。
川名 みさきです。
盲目属性です。もう最近のゲーム、アニメだと盲目のヒロインは見かけない気がします。扱いも難しいというのはあるので貴重です。
年賀状のエピソードは胸にくるものがあります。
里村 茜です。
クール系ヒロインです。嫌なことは嫌とはっきりと言うタイプです。ルートでは押しがめっちゃ強い浩平に最後は惚れてしまいます。このゲームの根幹？でもある「永遠の世界」とも関わりがありそうでしたがあまりそこらへんは触れられずです。
上月 澪です。
声が出ない属性です。声は出ないですが感情豊かで可愛いです。年下枠ですね。
椎名 繭です。
年下枠というよりはロリ枠ですかね…
性格だいぶやべぇなと思いつつ読んでいましたが結局一番涙腺に来たのはこの娘でした。
主人公がめっちゃヒロインにちょっかいかけるのが時代？を感じます。
そうなんですよね…あくまで個人の体感ですがシュタインズ・ゲート辺り位まではこういうちょっかい掛けたりヒロインに強気系な主人公は割とメジャーだった気がします。
でも、いつの間にかそういう主人公を見なくなった気がします…気のせいかもですが。
こうやって改めて感想を書くと泣きゲーの元祖と言うよりは近年の恋愛アドベンチャーゲームの元祖な気もします。
シナリオを読み進める間にちょくちょく、クロノクロスのオープニングみたいなポエムが挟まれるのですが結局最後までその意味は良く分かりませんでした。
浩平が消える原因となる「永遠の世界」が何なのか？それもどのルートを読んでもはっきりしませんでした。はっきりしなさすぎて思わずウィキペディアのONE 〜輝く季節へ〜を開きましたが、やっぱりよく分からず…
物語から読み取れたのは、「永遠の世界」という世界が存在しそこにも瑞佳がいる。
永遠の世界に居る瑞佳が浩平をその世界へ連れていこうとしている。
永遠の世界に連れていかれた人は元の世界で存在そのものが消えてしまう。
茜と氷上 シュンの話から絆のみが元の世界での自身の存在を繋ぎとめることができる。ということは理解しました。うーん…できたのか？
とはいえ動機付けのための設定であると書いてあり少しは納得しました。皆様のご想像にお任せしますというところでしょう。
たしかに…この年代付近はそれこそエヴァンゲリオンとか作中であえて分かりやすく説明しない系の作品は多かったかもしれません。
オリジナルは１９９８年発売だそうですが、２０年以上前の作品でも時代感はあるものの最後まで読了できるのはすごいと思いました。私が感想を書くまでもなく良作なのは間違いないのでしょう。
（電話とＣＤの箇所はめっちゃ時代を感じますね。）
リファイン版として選択肢にルートごとの正解アイコンを表示するのはとても助かりました。なければ最後まで読了するのを諦めていたかもしれません。
一方でルートごとのエンディングのスタッフロールをスキップできないのはちょっと辛かったですね。
Steamの実績はなしです。私の場合、全ルート読了まで１８～２０時間程でした。
