ひつじ村ってゲームをご存じでしょうか?
プレイステーション2時代の箱庭牧場シミュレーションゲームです。このゲームを学生時代にプレイしたことがあると言うと年齢がばれてしまいますね…
当時でも牧場シミュレーションゲームとしてはかなり異質だった記憶のあるゲームです。
なぜお金のない学生時代にこのゲームを購入してプレイしたのかも謎です。思い出せないくらい時間が経ってしまいました…
このゲームですが、まず貨幣の概念が存在しません。牧場系ゲームによくある住民との交流システムもないです。町の概念はありますがあくまで物々交換をするのみでマップを移動したりするような要素はありません。あと作物に対する水やりの概念がないです。犬を手に入れて狩りをするのですがそれが実質的なエンドコンテンツです。そしてあまりにも良すぎるBGMの数々…さらには非常にのっぺりしていながらも不思議な魅力のあるキャラクターデザインと住民たちの圧倒的強者を思わせる独特なセリフ。非常に斬新なゲームでした。あまりにシュール過ぎて夢中でプレイするという謎の中毒症状に見舞われた思い出があります。
同じような思いをした方々は多数いるらしく…ひつじ村と言うゲーム自体は様々なプラットフォームに移植もされたし、続編も作られました。
さらに言えばブラウザーゲームも存在し未だに稼働しているコアなファンを獲得し続けているゲームです。
そんなひつじ村ですが…なんとSteam 版が発売されました。思わず購入してしまいました。
非常に愛らしいキャラクターデザインで再登場しています。トップ画面のこの娘は「君なんか写真と違わない?」状態なのですが安心してください!
本編ではちゃんとかつてのイラストで物語が進行します。
うーん…これですよこれ!これがひつじ村です。
DSの続編だとキャラクターデザインもそうなのですがイラストからシステムまでその良さがすべて失われます。正確には失われるというよりは普通の牧場ゲームになってしまうのですよね…
そんなひつじ村、思わず購入したもののすぐに飽きてプレイを辞めるだろうな…と思っていたのですがひつじを手に入れるところまで進めてしまいました。悔しいのでそこに至るまでの軌跡を記事にします。
(このゲームはひつじを手に入れるまでが目標のゲームです。もちろんその目標を達成した後はゲームを辞めない限り永遠に牧場での労働を強いられます)
物語自体はオーソドックスな紙芝居形式で進みます。要所でアドベンチャーパートが挿入される形式です。
住民との交流はこれのみで自分から絡むことはできません。
この画面になればいよいよゲーム開始です。このアヒルなのかガチョウなのか分からん何かがチュートリアルを提示してくれますが実質的には何をするのも自由です。
ちなみに誤操作を防いだり1つ手前の操作に戻るみたいな丁寧な仕組みはないため、操作できるようになった開始と同時に画面左上の家に入ってセーブしてしまいましょう。
より正確に手順を述べると…カマを使用する操作のチュートリアルまで進むと家の前にある牧草を刈れるのでそこまで進めたらセーブしておくと良いと思います。
オートセーブではないようなので小まめにセーブしましょう!
最初に述べたように貨幣の概念はなく、生産したものを町で別のものに交換することが可能です。
この交換によって新しい作物や家畜を入手することで様々なゲーム内要素のアンロックが進む仕組みとなっております。
何から何が交換できるかどうかは実際に市場で確認するか、ゲーム内でスタートボタンを押すことで確認可能です。
とはいえ基本的にはゲーム内で提示される内容で物々交換は進むことになるかと思います。
ひつじを手に入れるまでが目標となります。
その後は実質的にエンドコンテンツ的な内容を消化していくことになります。プレイヤーごとにその目標は様々だと思います。
この場所が町に出る場所なのですが、普通の牧場系ゲームならきっとマップ画面が出たり町についてプレイヤーを歩き回らせ住民と会話できたりするのでしょうがこのゲームにおいては店と同じです。
アンロックが進むごとに市場入口は他の場所にも出現します。
新しい作物や家畜を入手したりすることで物語が進行します。ひつじ村との住民との出会いも増えます。
魅力的なヒロインがたくさん居ますが交流を深める概念は一切ないので安心してください。旅人である主人公を牧場に閉じ込め労働を強いる住民たち…なんてね…
恐るべき住民二人を紹介します。
何をもってして恐れるかと言うのですが、このゲームのエンドコンテンツのひとつに犬を手に入れ技を教え狩り勝負をすることがあるのですが、そこでめちゃ強な犬というか狩り対象をけしかけてくる住民ですw
狩りはこんな感じのコマンドバトルです。レベルの概念はないですが技の概念はあります。犬種によって覚えられる技が異なります。狩りの対象ごとに必要な技が異なるため多種多様な犬種と技を揃える必要があります。
かなり奥深いシステムとなっておりそしてバトルBGMが非常に良いです。特にボス戦のBGMはやばいです。
こんな感じで、ある作物なり家畜、生産品を入手することで物語が進行して牧場が拡張されます。
ひつじ入手までの基本ルートはアバウトではありますが概ね以下のような感じになります。
マーモット→うさぎ→うさぎの毛→ムギ→アヒル→アヒルの毛→イノシシ→ハム→ぶどう→ワイン→ひつじ→ひつじの毛
(間に必要な作物や家畜、工程がたくさんあります)
実際にはこれ以外のひつじまでの道のりもあります。ムギ以降あたりから例えばアヒルの毛かガチョウのフォアグラのどちらを主流に生産していくか…みたいな悩みが出てくると思います。
このゲーム…プレイすると分かるのですが近年あるようなサンドボックス系のゲームみたいに便利な機能がほぼないに等しいです。特に資源管理に関してはかなりシビアです。
アイテムを保管できる保管所もあるにはあるのですが数制限が厳しく、生産したものを牧場に置いて柵で囲う等で保管するというテクニック等を駆使する必要があります。
ゆえに…ひつじまでの道のりは意外と苦労するのですがレベルデザインがしっかりしているのか、恐らくどんな方でもひつじまでは必ず手に入れられるようになっているのも特徴です。
救済として狩りが存在し、狩りではポイントを入手することができるのですがそのポイントで景品が入手可能です。
景品では家畜のエサになるものを交換できるのでゲームを進行する上で詰むことは仕様上ないと思います。
ひつじ村の特徴と言えばいいのでしょうか?シナリオを執筆した方がどのように考えていたかは分からないですが住民の強い?シュールなセリフや表現が面白いです。
いつだったかひつじ村の評価を投稿するサイトで同じように思っていた方が結構居たことに感動した覚えがあります。
特に上記画像の以下二つのセリフは最高ですね。
- 「オスは一匹いればいいから残りは肉にするといいよ。」
- 「オレは肉がたくさん吊るされているのを見ると幸せな気分になるよ。」
まず、前者はイノシシの数え方が間違っていますね。そこから♂の残りは肉にすればいいというその通りなんだけど身もふたもないチュートリアルのセリフです。
後者は肉屋のセリフなので幸せになって良いのですが時と場合が違えばとんでもないセリフになりそうな所が好きです。
上記画像が大体3回目の牧場拡張した時点での状態です。
加工品は野ざらしで生産するという思い切りの良いゲームデザイン!
牧場のサイズがそのまま生産量に直結するのですが当然牧場の大きさには限界があるのでうまい具合に生産する作物や育成する家畜を取捨選択する必要があります。
ぶどうの収穫まで行けばあともう一息です。
ワインにするためにワイン樽が必要なのでハムはたくさん作っておきましょう。ハム1つで樽1つのレートです。ぶどうの種に交換する分も含めてイノシシは優先的に育てる必要があります。
(イノシシの肉をソーセージにするのは狩りでいくらでも肉が手に入るのでお得感はないですが緊急的に肉が必要な時に有効です。交換するならトリ肉。トリ肉はダイコン3つに交換できるのでヤギとイノシシ両方のエサに出来ます)
ひつじのエサはカブです。ぶどうは市場でカブの種とも交換できるので、ぶどうはワインにするものとカブの種と交換するものも含めて数を育てておきます。
ちなみにぶどうを栽培するとカタツムリが出現することがあります。
この娘は絡んでくるとほぼ食べ物の話ばかり系女子です。
カタツムリ2つでなんとぶどうの種3つと交換できるので、カタツムリが出現したら2匹手に入れるのを目指しましょう!
(カタツムリは保管庫に保存できないため所持枠を必然的に1つ埋めることにはなってしまいます…)
ワイン樽の側にぶどうを配置してワインを仕込みます。ワインができるまでゲーム内時間で結構日数を必要とします。
ちなみにワイン2つで若ひつじ1頭の交換レートです。
カブですが少し注意が必要で、ゲーム内でも説明がありますがひつじの毛を刈るにはカブが地面に埋まっている状態のままエサにする必要があります。
なのでカブの種を手に入れてもすぐに植えずに若ひつじ入手から大人になるまでの期間を見越して植えると良いです。
私はかなり久しぶりのプレイだったのでそのことを忘れていましたw
ようやくタイトル回収です!
ひつじの入手と同時にエンディングパートが始まります。
エンディングロールが流れます。
エンディングが終わると何事もなかったかのように牧場労働続行です!
つまりここまでがチュートリアルだったという訳ですね。
これ以降は、作物や家畜、花や犬、狩り、設置物等を黙々とコンプリートを目指すやりこみパートになります。
自分だけのひつじ村を作りましょう。
ちなみに…
私の場合、ひつじの入手まで Steam のライブラリで確認したところ14.5時間でした。ゲーム内時間では4年目でした。
非常に独特なゲームではありますが、ひつじ村が登場してから今に至るまで同じような雰囲気や性質を持ったゲームを少なくとも私は見かけないので間違いなくオンリーワンなゲームだと思います。
実はずっと欲しかったサウンドトラックも発売しています。
プレイステーション2時代…BGMを聴くためだけにゲームを起動していた時期がある身としてはこんなにうれしいことはありません。とても感慨深いです。
もちろん気づいたタイミングで速攻注文しました!