『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』の全エンディングを読了しました!
驚異の全100エンディングあります!物語のルートとしては全部で20ルート?です。全エンディング読了までのプレイ時間は約112時間です!なお全実績解除は諦めました。全キャラクターの親密度ランクを最高にしなくてはならないのですが流石にそこまでする気力がないです。燃え尽きました。
この記事は『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』のネタばれあり感想記事なので読み進める場合はご注意頂ければと思います。
結論から言ってやりすぎなゲームです。やりすぎというのは物語の展開とか設定の話ではなく…単純にルート分岐とエンディングの数およびボリュームの話です。
『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』は「小高和剛と打越鋼太郎が初タッグを組み、新たに生み出す“極限×絶望”のADV」とのことでして小高和剛さんは『ダンガンロンパ』シリーズが有名で、打越鋼太郎さんは最近だと『AI: ソムニウム ファイル』シリーズが有名でしょうか。アドベンチャーゲーム好きな方ならば彼らの関わるゲームの何かしらはプレイしている位にはビッグな組み合わせです。
プレイした身としてぶっちゃけるとゲーム性や演出、サウンド、BGMに関してはほぼダンガンロンパです。ダンガンロンパで言う学級裁判のパートがタワーディフェンスになっていると思って頂ければ良いと思います。そしてそのダンガンロンパに打越鋼太郎節満載のタイムリープありパラレルワールドありの物語及びフローチャートシステムを載せた物語で展開される戦争をテーマにしたゲームです。
とにかくボリュームが凄まじく、まず初回プレイにてゲームの1週目をクリアするのに20~30時間は費やすかと思います。ダンガンロンパ1作分がチュートリアルになっているようなものです。
1週目が終わってからが本番でそこから本格的に分岐を伴うアドベンチャーゲームが始まります。アドベンチャーゲームとしてはオーソドックスな選択式です。このゲームの最大の売りが物語であり、主人公である拓海の選択によりそれぞれのルートがまったく予想できない方向へと進んでいくのが醍醐味です。少なくとも初見プレイにおいてはその凄まじさは感嘆に値します。
ただ…ただ流石に100エンディングもあるとなるとかさ増しのようなルート分岐もあればあまりにもしょうもないエンディングもかなりあります。トゥルーエンディングに到達するために必要なルート分岐とエンディング自体は実はそこまで数がなく物語の先を知りたい人にとっては大量にある分岐からロックを解除するための分岐を見つけ出すのが難しく先が気になる面白い物語なだけにじれったくて苦痛かもしれません。
肝心のタワーディフェンスも面白くはないのが辛いです。物語の展開の都合で出撃できるユニット(兵科)が決まる上に自由に配置できないという制約もありプレイ時間の後半はただの作業と化します。ループの過程で防衛する100日間を繰り返す訳ですが当然ループしているので大幅に戦い方を変える必要がある訳ではないので凄まじく退屈です。(もちろんルートによって展開の変わる防衛戦もあるものの全体からすればわずかな印象でした。)
タワーディフェンスパートは一度こなせばスキップは可能なのですがルートが異なるとスキップできなかったりします。特にあるルートでは2日1回スキップできない防衛戦を強制される等開発してる側のやけくそ感もあるルートなんかもありました。
ただ、ゲームそのものの難易度は高くなくまた攻略と言う側面においてもフローチャートのおかげで攻略サイト等を観る必要なく全エンディングに到達できる仕様なのは良かったです。というかそうでなければ確実にトゥルーエンド到達は諦めていました…最後までプレイするのに必要なのは根気のみです。
確実に人を選ぶゲームです。シナリオが主体のゲームなためプレイする際はプレイ時間を確保できる見込みができてからプレイすることをお勧めします。下手にプレイする期間が空いたりするとタイムループに加えてタイムリープまでありそれらが相互に作用するシナリオなため内容を忘れると訳が分からなくなります。週末プレイとか無理ゲーです。
私はゴールデンウィークをこのゲームのプレイにほぼ費やしてしまい同じプレイ時間を費やすならもっと複数のゲームをプレイするべきだったかも、と半分くらいは後悔していたりします…でも裏を返せば休日を全部費やすくらい夢中になって物語を追えていたのでそれくらい面白かったです。
ネタばれあり感想
拓海達サイドが侵略側だろうなという真相自体は1週目の時点でも察しますよね。彼ら自身も実はフトゥールム人であるというのは人類側のやることが外道過ぎて感動しました。種の存続を賭けた戦いとは言え限度と言うものがありますよね。拓海たちは100日間の戦いでしたが実際には地球時間で言えば何十年も続く戦いなのでしょうね。人口天体の規模でよく戦争を仕掛けることできたなと個人的には思いました。日本史で言うペリー達だって開国を要求しても攻めなかったのに…
技術力が地球より劣っていたらしいから行けると判断してしまったのでしょうか…
無事、全員生存かつ全方位ミサイル攻撃なしのトゥルーエンドに到達したのですがいまいち物足りないという感想です。というか100エンディングこなしたもののまだ謎が残っていて不完全燃焼感あります。
- あのおじいさんの正体は?
- ビジュアルがなかったけどギィに寄生されていた「過去G」を連れ去ったおばあさんの正体は?
- パラレリープ装置を作った人達の正体は?
- 「この装置がお前たちを救う」と雫原に伝えた人の正体は?
- パラレリープ装置で縦にも移動できるとは?
- プレイヤーに対するメタ?
- 地球人とフトゥールム人が似ている理由は?
- 異血の力の正体は?
- ギィの言っている母星とは?
- 特異体とは?
- フトゥールム側で侵攻生を産みだしている方法
- デスゲーム編の蜂は結局どう生み出された?
- というか制約付きとはいえあれだけ対異血特化の蜂が作れるのにヴェシネスはなぜ作らない?
- 思いつかない?ギィだからこそ作れたのだろうか…
- というか制約付きとはいえあれだけ対異血特化の蜂が作れるのにヴェシネスはなぜ作らない?
- デスゲーム編の蜂は結局どう生み出された?
こういった内容がゲーム内で言及されているもののルートによって謎が解明されるのかと思えばそんなことはなかったです…続編とか作る気なのかもしれませんね。
私はギィが真のラスボスになるかと思ったのですがそういうことはなくちょっと残念でした。でもギィは確実に物語の根幹に関わっていそうですよね。話は逸れますが血みどろ編で血が流れ過ぎたら蘇生できないとあったのですが体内の爆弾の爆発レベルで蘇生可能なら血が流れ過ぎと言っても血みどろ編の死体なら蘇生できそうなものなのですがいまいち基準が分からない。時間が経ちすぎとあるけどなんでドローンが飛んでこないのかも言及があった気がするけど忘れた…
個人的に作中一可哀そうだと思っているのが蒼月です。そもそも拓海達は言ってしまえばそういう設定と記憶で作られた人造人間というオチだったわけですが彼は製造過程のバグのせいで人間を正しく認識できないからシンプルに気持ち悪い人間をひたすら憎んでいた訳です。(つか認識がバグってることくらい研究者も気づけよ…と思ったけど侵略反対派の工作の可能性もあるのですよね。)
あるルートでは認識は直らなくても裏切らないルートがあるので本当に普通に見えてさえいれば頭の切れる参謀キャラクターなのですよね。彼がどのように人間が見えているのかが分かるルートがあることを期待しましたがなくて残念です。
初見プレイでは江ノ島盾子ポジなのかなぁと思ったけど特にそんなことなかった。
このゲームは戦争がテーマでありゲーム内でも言及があるのですが戦い続ける過程で人は変わっていくというのもありルートによっては登場人物のキャラクター性がぶれるのでその点においてカタルシスが得辛いと思いました。
分かったことは怠美ちゃんが割とどのルートでもぶれることなく最初から最後まで天使だったということで満足です。
つばさちゃんもかなり天使なもののルートによっては一切躊躇が無くなるのが良き。というか彼女がいなければ詰んでいた展開多すぎですね。一番ヒロインしていた印象です。
何か色々な感想が思い浮かんでいたはずなのですがあまりのボリュームの洪水のせいで印象に残っているシーンがぼんやりとしてしまっています…
1つ言えるのはアドベンチャーゲームを作る側の人達の夢が一杯詰め込まれているゲームです。膨大なルート分岐で物語がかなり変わるゲームという一度は誰もが考える夢を実現してくれたゲームです。
そしてプレイする側からするとエンディング数やルート分岐は多ければ良いという訳ではないことを体験として教えてくれました。どんなゲームにも内容に伴う適切なプレイ時間があると思います!
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そもそもフトゥールムの人達のいる惑星は本当は地球なのではないかと思ったり思わなかったり…人口天体は宇宙船ではなくパラレリープ装置だと仮定すると割と納得のいくことが増えるのですよね。世界死が起きないような文明の発達の道を進んだ別世界の地球を侵略していたりして…なんてね。